京都上ル下ル

呉服屋の娘のよもやま話

京都風セールスの断り方

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あなたの家にセールスマンがやってきたとする。

あなたには買う気はない。どう断るだろうか?


大抵は「間に合っています」「興味がないので、結構です」と答えることだろう。

京都には、セールスをやわらかーく断る魔法の言葉がある。


「いやぁ主人がおりませんのでよぅわかりません」


この主人を義母や母や父と変えて言っても構わない。
要するに「目上の人」を盾にして断る手法である。

そして、大体こう続ける。


「また主人と相談させてもらいます」


もちろん相談することはない。


京都限定かもしれないが、「目上の人」を盾に断る手法は大変便利である。

うちは自分ではよぅ決められません。
主人や父や母に聞いてみいひんと、よぅわかりませんのや。

にこにことやわらかに、自分を卑下して目上の人を立てつつ断ると、どんなセールスマンも引き下がる。そして丸く治まる。


もちろんこんなことを言っている側も、これが前時代的な価値観に基づいたものだと知っている。
しかし、誰からも文句の出ない有効な手段なので、いまだに使い続けている。

私もセールスの電話には必ずこう答える。


「いやぁ母がおりませんので、よくわかりかねます」


こう答えるとどんなセールスマンも「そ、そうですか…」と勝手に電話を切ってくれるのだった。おすすめ。

 

絶対に断られない飛び込みセールス―「断り文句」をラクに、楽しく切り返す

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