京都上ル下ル

呉服屋の娘のよもやま話

ぺらぺらの着物

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卒業式シーズンが近付き、街にレンタル袴の広告が溢れるようになった。


安価なレンタル袴用の着物といえば、プリント地のぺらぺらのものが大半である。

前々から気になっていたのだが、ああいうものを借りる人は、あの生地が気にならないのだろうか?


着物には生地によってランクがある。

フォーマルな時に使う高級品に絹があるが、レンタル袴用の着物は恐らく化繊である。

幼い頃から良い絹に囲まれて育った身には、化繊の着物を卒業式で着ることに大分抵抗がある。


一方で、化繊の着物の効用についても考えてみたい。

確かに化繊の着物は素材が良くない。デザインも私の好みではない。

ただ、安価で借りることができる。

この利点は大きいように思う。


普段着物に触れない若い女の子が、卒業式というイベントを利用して着物を着る。
ぺらぺらの着物といえども、着物を着る人の幅を広げてくれる。


願わくは、化繊の着物から入った人が、それをきっかけに着物にはまってくれることである。


化繊の着物から絹の着物へ。どう誘導すれば良いのだろうか?

 

DVDで着物の手ほどき 着付けと帯結び

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